スイング改造で起こる痛み

ゴルフを自己流でやっていますと壁や伸び悩みを感じて、スイング改造に取り掛かるプレーヤーは多いと思います。

スイング改造で起こる問題の中に「痛み」があります。慣れないスイングを始めたからしょうがない、そのうち慣れるだろうとスイング改造を続けているとスコアアップどころかゴルフが出来なくなってしまうこともあります。
「痛み」は身体が訴えるサインです。「今の状態は危険ですよ」と知らせています。痛みが出た時はちょっと立ち止まってみることが必要です。

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スイング改造で痛みが起こる原因

  1. レッスンプロのゴルフ理論が腑に落ちていない(重要)
  2. カラダの硬さとスイングの可動が合わない

1. レッスンプロのゴルフ理論が腑に落ちていない(重要)

ゴルフレッスンの難しさが痛みを引き起こします。ゴルフレッスンは非常に難しいものです。プロの言う理論はプロ自身が上達しているので、 ”そのプロ”の正解だと思います。

しかし、
ゴルフスイングには”感覚”という要素が大きく関係します。感覚を伝えることは大変難しいもので、また教わる側の受け取り方でも意味合いが違ってきます。頭では理解できても感覚の部分で違った感じ方をした場合に、頭と身体の間にギャップ(矛盾)が生じてしまいます。このギャップを抱えたままレッスンを受けていますと腰痛や身体の痛みが現れてしまうのです。

それはまるで拒否反応のようにです。

身体の感覚は無意識なもので、ギャップを頭で認識はしていないことがほとんどです。なので「痛み」というかたちで現れてくるのです。

1.の解決策

レッスンプロとのディスカッションを念入りにする。

レッスンプロの言われる理論を正しく受け止めているかをしっかりディスカッションしてください。理論を感覚のレベルで受け止めること、理論を「腑に落とす」ことが大切です。
レッスンプロの言われてる理論が、ご自身の腑に落ちるように聞いてみてください。決定権(ジャッジメント)は教わる側にあります。自分で判断して納得されてレッスンを受けられると痛みを引き起こすこともありません。そして、ゴルフ上達へとつながります。

【参考】
感覚を人に伝える、教わるのは非常に難しいことです。それはプレーヤー一人一人感覚が違うからです。
レッスンプロとしては同じ理論を伝えるにも、Aさんに説明する内容と、Bさんに説明する内容を感覚的には真逆のことを言わなくてはならないこともあるかも知れません。

すると、AさんとBさんが知り合いだったら、言ってることが違うということになります。

そういった場合でも教わった内容が自分の感覚でしっかりとらえらているか、感覚で理論が再現できているかをジャッジすることが大事です。言葉尻だけを追いかけていると痛みだけでなく自分のゴルフを見失うことになってしまうことになります。

2.カラダの硬さとスイングの可動が合わない

カラダが硬いというのは、以下の要素が関わります。

  1. 関節を取り巻く靭帯が短くてもともと身体が硬い
  2. 筋肉が緊張して硬くなっている
  3. 年齢を重ねて身体自体が硬くなっている
  4. スイングのルールが多すぎる(要注意)

2-1. 関節を取り巻く靭帯が短くて、もともと身体が硬い

関節は関節包靭帯(かんせつほうじんたい)によって保護されています。この靭帯自体が短いと可動は狭くなります。特に男性は身体が硬な方が多いです。

良く言われるのが相撲取りの股割りです。相撲でケガをしないようにする処置ですが、両足を広げて背中に力士が乗るのを繰り返して股割りをします。股関節の関節包靭帯をわざと損傷させて伸ばしているのです。

スイング改造時に無理に動かすことによって関節包靭帯が損傷し痛みを発症することがあります。

対策としては、
・ご自身の可動に見合ったスイング改造を目指す
・理想のスイング改造が出来るまで可動を広げる
などがあげられます。

当院のアクティベータ治療では、可動域を広げ、柔軟にすることで痛みの改善とゴルフパフォーマンス向上を行っています。

2-2. 筋肉が緊張して硬くなっている

筋肉の緊張には色々な要因があります。「疲労」「筋肉が短くなる」「心の緊張」など様々な要因で筋肉は勝手に緊張してしまいます。

疲労物質が溜まってしまった筋肉は、マッサージや筋肉への操作、栄養補給をすることで回復できます。
筋肉が短くなるというのは、特にハムストリングなど下肢の筋肉で起こります。筋膜も含めて固くなり柔軟性に欠けてしまい、そのために前屈がしづらくなるといった状態になります。これはゆっくりストレッチすると伸びます。こういう時もアクティベータ治療を受けると早期に回復できます。

心の緊張で筋肉も緊張します。
スイング改造中であるとスイングが気になって「ナーバス」な状態でプレーすることになります。ナーバス=極度の心の緊張となり、その緊張が体にまで反映されます。緊張により筋肉は固くなります。固まった状態でプレーすると普段は何でもない動作でもぎっくり腰のように痛めてしまいます。

対策としては、
ラウンド中はスイング改造のことは一旦忘れることです。ラウンド中はコースのこと、ライのことなど他に考えなくてはいけないことがたくさんあります。あまりにたくさんのことを考えながらスイングをしているとスイングをおかしくする原因にもなります。練習とプレーを切り離してスイング改造に取り組むことが大切です。

もしくは、
スイング改造を重視するなら、スコアメイクは一旦忘れることです。この日はスイング改造をメインにラウンドに集中すると、矛盾もなくスイング改造に集中することができます。

じつは、心の緊張には無意識にある「感情」や「信念」が関係しています。そんな無意識と心の緊張を紐解いて、筋肉の緊張をとるのが、PCRT(心身条件反射療法)治療になります。

2-3 年齢を重ねて身体自体が硬くなっている

ちょっと前まではバックスイングがここまで上がっていたが、60歳を過ぎ、70歳を過ぎてきますと、どうしても思ったところにバックスイングを上げずらくなります。

と同時に、「瞬発力」も低下します。身体が硬くなり瞬発力も下がれば飛ばなくなってしまいます。

そんな時にスイング改造だけでカバーしようとすると身体を痛めてしまいます。必要なのは筋肉をしっかりメンテナンスをして柔軟性を取りもどしてあげることです。さらに身体能力の底上げすることです。それらを行ったあと、もしくは行いながらスイング改造に取り組めば、痛めることなくパフォーマンス向上が出来ます。

年齢を重ねても楽しいゴルフができるよう、ゴルファーズクリニックでは身体のメンテナンスをしっかり行います。

2-4 スイングのルールが多すぎる(要注意)

スイング改造をするとスイングをするときのルールが多くなります。ルールが多すぎると身体は固まってしまいます。

アドレスで…
「ヒジはこうして」、「頭は動かしてはダメ」、「バックスイングはこうなって」、「トップの位置でクラブヘッドは…」

脳で考えたことすべてをやろうとするとスイングの流れがなくなり、結果固まってしまうのです。固まった状態でスイングを続けていると痛めることとなります。

解決策としては
出来るだけスイングをシンプルにする、ポイントを絞ることです。ひとつポイントがクリアできたら次のポイントに移るようにして、一度にたくさんのことを動きに取り入れないことです。スイングの流れをスムーズにすることで痛めることなくスイング改造ができます。

ゴルフをやっていくとどんどん「こうしよう」「あーしよう」とやることが増えていきます。それをルーティンとして「こうして、あーして、それして」とやっていると、まー時間がかかります。
それだけやったからといって、ゴルフの結果が良いかというとそうでもありません。

すべてをシンプルにすることで、筋肉の張りがなくなりリラックスした筋肉でゴルフができ、結果自分の思った良いゴルフが出来るのです。

スイング改造をする時は、ぜひ考えをシンプルにして、身体が腑に落ちる理論のもと、自分の身体能力も向上させつつ、ゴルフパフォーマンスの向上を目指してください。
自分の筋肉が十分発揮できるようシンプルスイングでコースラウンドを楽しんでください。