スイング改造からイップスになる

□ 理論の呪縛を少しずつひも解く

53歳、S.Iさん、男性、会社員

私は、ゴルフ歴25年、平均スコア100前後の一般的なゴルファーですが、10年程前にゴルフスクールに通ってスイング改造に取り組んだ頃からイップスになりました。理論に基づいたスイングをすることを頭の中で考えるにつけ、だんだん身体に力が入りだし、通常のショットでトップが頻発しました。さらに、バンカーとアプローチショットにもトップの症状が出始め、恐怖心から身体に異常な力が入り始めます。具体的には、50ヤード以内のアプローチとバンカーショットは身体の硬直からトップとざっくりの繰り返しです。このため、イップスが出始めた以降は、スコアが100を切ることはなく、醜い時は、120近くまでたたくことがありました。この10年間、なんとかイップスを克服しようと練習も試みましたが、一時的に良くなることはあるものの、しばらくするとイップスが再発するということの繰り返しでした。さすがにイップスがここまで醜いと、ゴルフに行っても楽しくないし、時には苦痛にさえ思えてきます。 「もうゴルフはやめよう」と何度も思いましたが、イップスさえなくなれば、楽しいゴルフは、できるでしょうから、なかなかあきらめきれません。何か改善する方法はないかとネット検索したところ、当クリニックでイップス治療ができることを知り、藁にも掴む思いで訪れました。

私の治したいイップスは、身体の硬直によるトップ症状ですが、特にアプローチ、バンカーショットが醜い状況です。初回訪問時には、アプローチとバンカーショットのイップスを治療していただきましたが、後日のラウンドでは、最初はうまくいかない場面もあったものの、段々とアプローチがトップせずに打てるようになりました。
2度目の治療後のラウンドでは、アプローチショットの成功率が50%程度、バンカーショットについては80%の成功率でしたが、全てのショットで身体の硬直が少なくなりはじめ、スコアも10年ぶりの90台前半でした。まだ完全に治ったとは言えないものの、だんだん恐怖心が薄れて身体に力が入る度合いが少なくなってきているのがはっきりわかります。イップスは他人から見れば、「この人は何をやっているんだろう?」という動きになりますし、心のの中では笑われていると思います。しかし、自分でも悔しくて、仕方がありませんが、いくら練習しても、レッスン書やイップスの本を読んでもまったく改善されなかったのも事実です。
私は3回の治療を受けた段階ですが、かなりの改善が見られましたので、もう少しの間治療を受けてイップスを完全に治したいと考えいています。「再来院して治療してもらえば良いや!」と思えるのも気が楽です。 イップスで悩んでおられる方は、是非、治療を受けることをお勧めします。

ゴルフレッスンを受けてイップスに

○ レッスンはする方も受ける方も難しい

私は、現在はイップス専門の治療を行っていますが、以前はゴルフのレッスンをしてたこともあります。人に教える場合、とにかくコツを伝えて、早く上手くなって欲しいという思いで指導しました。

一方アマチュアゴルファーは、言われたことをもとに身体を動かします。しかし、これがかなり難しいです。

レッスンでの混乱

○ 私の経験ですが…

レッスンをした時に、良かれと思って伝えても、相手の感覚も違えば言葉の受け止め方も違います。そこで感覚を伝えるというのは本当に難しいと思いました。

そんな中で良く出るキーワードは…

  • 頭を動かさない
  • 前傾を保つ
  • バックスイングを何時から何時まで
  • トップで腰を先に動かす
  • スウェーをしない

など、色々なしなければならないが出てきます。それでもそこそこできれば良いとか、気楽な気持ちでやられている方は大丈夫なのですが、まじめな方で一生懸命言われたことをやられる方には捉え方が違ってきます。

今あげたキーワードの前に「絶対に」が付いたりします。

初心者男性の恐怖

○ 色々考えると怖くもなります

このように色々と考えすぎて打とうとすると、身体は全く動かなくなります。すると、ミスショットが出ます。それは次第に、打つ前からミスショットが頭をよぎり恐怖を感じるようになります。

このような呪縛を少しずつ溶かしていくのがイップス治療です。

男性の呪縛には上手く対応できましたので、良い方向へ行きました。しかし、身体の中にある葛藤や疲れは非常に大きなものでした。

この症例を読まれているあなたが、レッスンを受けるときに気を付けてもらいたいのは、レッスンしてくれる方の考えの意図をしっかりと理解して、腑に落ちた状態で練習することです。

そして、人間の身体はそれほど思い通りに動きません。ほどほど聞いてほどほど動かす柔軟性も大切かも知れません。

一番大切なのは、練習からゴルフを楽しむことだと思います。

でないと、イップスという無意識の拒否反応が現れるかも知れません。