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触覚トリック
「自分をダマす」のが対処法です
イップスにはスイッチがあり、ある条件によってそのスイッチは勝手に作動してしまいます。イップスが出ないようにするには出来るだけスイッチが入らないようにする工夫が必要です。
イップスのスイッチは感覚的だったり、視覚的だったり、頑なな思い込みであったりと五感、感情、思考と様々なものが引き金となっています。
イップスの対処法はスイッチが入らないようにすることです。
それは「自分をダマす」ことです。または「感覚を麻痺させる」ことです。
このような方法は「感覚トリック」とか「触覚トリック」と言われます。この方法はどうしようもない場合はやるしかないです。
動画でもご覧いただけます。
感覚的トリックを使う
身体感覚的な要素でスイッチが入る場合に行う方法です。
トリックの方法として
- グリップを変える(変化させる)
- 身体の軸バランスを変える
- タイミングをずらす
- バックスイングに変化をつける
- 身体のどこかを叩いてから振る など
身体に感じる感覚を変化させることで誤作動する身体感覚のスイッチを入れないようにすることが目的です。
・グリップを変える
グリップを変えるとは、大きく分けて2つあります。
- グリップの形状を変える
- グリップの仕方(握り方)を変える
グリップの形状はパターでしたら色々なグリップで対応できるかも知れませんが、ショットになるとなかなか難しいと思います。
グリップの握り方に関しては多くのプロも行っています。パターでの”逆ハン”は典型的です。他のクラブではインターロッキングをオーバーラッピングにしたり、ベースボールグリップにする方法があります。
・身体の軸バランスを変える
通常はアドレスで軸を中心にしてプレーしているものを、それを左にしたり、右にしたり、前方や後方、オープンスタンスやクローズスタンスにすることにより感覚が変わり脳が錯覚を起こしてスイッチが入らないようになります。
・タイミングをずらす
自分のルーティンではイップスのスイッチが入ってしまう場合にスイッチが入る前に振るようにします。アドレスに入って時間が経てばたつほどスイッチは入りやすくなりますのでアドレスしたらすぐに振る ようにします。
すぐに振れなかったら一度アドレスをほどいて、アドレスし直しすぐに振るようにします。
・バックスイングに変化をつける
テークバックでイップスが出る場合はバックスイングをややアウト、ややインに上げるとか、コックを使うとか使わないなどの変化をつけます。
・身体のどこかを叩いてから振る
大腿部や胸部など大きな筋肉を叩いて刺激を加え、感覚がそちらに向いている間に振る方法です。
視覚トリックや思い込みへの対応
目で見た情報でスイッチが入るタイプです。
コースを見て何に緊張するかを知り、それを極力見ないようにする方法です。対象のものとしては、
- ティーグラウンドを見て緊張するタイプは、できるだけ遠くを見る
- ボールを見て緊張するタイプは、コースを見て振る
- ライを見て緊張するタイプは、ボールを大ざっぱに見て振る
- 人に見られて緊張するタイプは、誰も自分のことに興味ないと唱える
- 失敗ばかりにとらわれるタイプは、ウソでも良いショットを口にする
- 歌を口ずさんで振る
- 心地よいタイミングを擬音にして、擬音を口ずさみながら振る
触覚トリックの危うさ
触覚トリックは実に効果的です。イップスの感覚が忘れ去られイップスがすっかり治った感覚になります。
しかし、残念ながら触覚トリックは長続きしません。最初は違和感で自分の感覚が押し殺されまが、時間とともに違和感にも慣れ自分の感覚が戻ってきます。そうするとまたイップスが出てしまうのです。
触覚トリックでイップスはごまかすことは出来ますが治すことはできません。イップスを治すにはやはりイップスの原因へしっかりアプローチすることが必要です。
応急処置的に触覚トリックを使い、根本解決には治療をすることをお勧めします。